高速道路を利用する際、最近ではETCを取り付けた車がとても多くなりました。
いちいち一般ゲートで停まる必要もありませんし、出る際もゲートで財布を出す必要もないので楽ちんですが、時々止められてしまった車も見かけます。
ETCゲートで止められてしまうのは何が原因なのでしょう?
今回は、そんなことについて考えてみました。
Contents
ETCとは
そもそもETCとは何でしょう?
Electronic Toll Collection System
の略でETCと呼ばれます。通行料を電子的に精算すると言う意味になります。(電子料金収受システム)
日本に導入されたのは1997年(試験運用)で、概ね2000年頃から一般利用が開始されました。
導入された目的としては
- 料金所に起因する渋滞の緩和
- ハイウェイカードの偽造対策(後に廃止された)
- 料金体系の柔軟運用が可能になったことでのサービス向上
などがあります。
ETCを利用するには車載器とETCカードが必要になります。この車載器が高速道路のインターチェンジにあるETC専用レーンで情報をやり取りするのです。
ゲートが開かない
このとっても便利なETCですが、時々ETCレーンを通過しようとした車が止められているのを見かけます。私自身は止められたことはありませんが、これがなかなか迷惑だったりします。ETCレーンはこの車のおかげで大渋滞になってしまいますから・・・。
では、このようにゲートが開かないのはどうして起きるのでしょうか?
ETCの仕組み
ここで、もう少しETCの仕組みについて調べてみます。
ETCを利用するには
- ETC車載器
- ETCカード(クレジット会社が発行したもの)
が必要で、ETCカードが正しく車載器に挿しこまれていなければなりません。
車がゲートを通過する際には
車載器とゲートにあるETC装置間で無線通信が行われて情報をやり取りする
と言うことが行われます。この時にやり取りされる情報が条件を満たしていればゲートを通過できることになります。また、出口であった場合はこの時に料金の精算が行われます。
つまり、これらの情報が正しくやり取りできないか、やり取りした結果条件を満たしていない場合に
ゲートが開かずに止められてしまう
と言うことが起こるのです。
ETCの仕組みはどこでも共通で、高速道路会社が違っても、クレジット会社が違っても、車の種類(バイクや普通車、トラックやバスなど)が違っても同じように処理される統一されたシステムなので、ある意味単純に作られています。ですので、止められないようにする対策も単純なことであると想像できます。
止められないための具体的な対策
それではETCゲートで止められないようにするための具体策を考えてみます。
このETCシステムの肝は何と言っても車載器です。これが機能しないことには意味がありません。すべては車載器周りが原因になると思われます。
車載器の電源が入っていない
最も単純な原因ですが、正直あまり考えられない原因となります。
通常、ETC車載器は業者に依頼して取り付けしセットアップしてもらうことになります。その際に、ETC車載器用の電源はシガーソケットなどではなく、アクセサリー電源から配線して取ることになります。シガーソケットですと、接触不良などで電源が切れてしまう恐れがあるのでそのようになっています。
普通、車のエンジンをかけた際にETC車載器からカード認識にアナウンスがありますから、電源が入っていない場合は気づくと思いますが。
車載器にETCカードが入っていないか認識されていない
車載器だけがあっても意味をなしません。ETCカードが車載器に正しく挿入されていることが大前提です。カードが入っていないのは電源が入っていないのと同じように初歩的な話になります。
よくやるミスは
カードの挿入方向や表裏
の間違いです。ETC車載器が
「ETCカードが挿入されました!」
と言うアナウンスをするように正しく挿入しましょう。
また、こちらもエンジンをかけた際にETC車載器から
「カードが入っていません!」
などのアナウンスがあるので車に乗った初期の段階で気づくはずです。
最近の高速道路では、カード挿入ミスによるトラブルを防止するために、ICに入る入口付近でETCの状態を確認して異常があれば知らせてくれるようになっています。
ETCカードを認識しない
一番ありがちなのがこのケースでしょう。
ETCカードは正しく挿入されているのに、車載器からはエラーだと言われるケースです。考えられる原因は
- ETCカードのICチップ部分が汚れている
- ETCカードが変形している
- ETCカードの有効期限が切れている
などがあります。汚れなどは乾いた布などでキレイに拭き取れば復帰することが多いです。それでもダメな場合はカードが破損している可能性がありますので、カード会社に再発行してもらう必要があります。
ETCゲートでの通信不良
ETCゲートで車載器とゲート間で通信不良が起こる場合があります。ETCゲートとは無線で通信(5.8GHz帯で通信速度は1024Kbps)されます。技術的には時速80Kmで通過しても通信が可能な仕様になっていますが、停止させる場合の安全面を考慮して時速20Km以下で走行するようにアナウンスされています。
ここで通信不良になる原因としては次のようなことが考えられます。
車載器のアンテナの不具合
何らかの理由で車載器のアンテナが不調になっている。電波を遮断するような障害物がアンテナ付近に置かれているなどの場合もありますので注意が必要です。
また、車載器の機種によっては取り付ける方向が決められているものもあります。業者が取り付けた場合は問題ないと思いますが、個人で取り付け位置を変更したりした場合などは注意が必要です。
車載器が不調
車載器自体が不調な場合があります。車載器も電子機器ですので、何らかの影響でフリーズしたりすることがあります。
電源を切/入してリブートするなどの方法で復旧を試みてください。
※エンジンを切って少し待ってからかけ直すことになります
ゲート直前または直後にETCカードを抜いた
滅多にないと思いますが、ETCゲートに入る直前や直後などにETC車載器からカードを抜いてしまった場合にはエラーになる可能性が高いです。
ETCカードには、ゲートとの通信でやり取りされた情報が書き込まれますが、このタイミングでカードが抜かれていた場合には書き込みできません。情報がないまま次のゲートに行ってしまうとエラーになってしまいます。
限度額一杯のカードは使えるか
ところで、クレジットカードにはそれぞれ限度額が設けられています。ETCカードもクレジットカード会社から発行されたクレジットカードなので、紐づくクレジットカードがもしも限度額をオーバーしている場合などはどうなってしまうのか心配ですよね?
しかし、ご安心ください。
万一、ETCカードが限度額を超えた状態であったとしても、ETCでやり取りする情報には限度額などの情報は含まれていません。あくまでカードの有効期限や高速道路に乗ったICなどの基本的な情報のみがやり取りされます。
ですので、限度額をオーバーしたカードであったとしても問題なくETCレーンを通過することができます。
止められた場合の対処
ETCゲートで止められてしまったら、慌てずに対処しましょう。
絶対にバックしてはいけません!!
後続の車に衝突してしまう可能性があります。
とにかく落ち着いて運転席側の窓を開け、インターホンで係員の指示を仰いでください。
まとめ
ETCカードのおかげで、本当に便利に高速道路を利用できるようになりました。ここ数年の間では、サービスエリアやパーキングエリアをETC専用の簡易なインターチェンジ化する
スマートインターチェンジ
も全国に増えたことで、より便利に目的地に行くことができるようになりました。
これらを便利で安全に利用するためにも、ETC車載器やETCカードを正しく使い、日頃からチェックしておくことが大切です。
ある日突然、ETCゲートで止められることがないように、私も気を付けたいと思います。